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イガチョフ

国語

「スマホやパソコンを使ってばかりで漢字の書き方を忘れてしまうよね」とSさんが言うので、「そうだよね。自分の名前も漢字で書けなくなるぐらいだね」と答えると大爆笑に包まれた。木曜日のまけまけは一週間で一番賑やかな時間を過ごせる。最近メンバーになったばかりのIさんは法律上まだみりんも買ってはならない年頃の女の子である。控えめなタイプであるが、ガッツがあって片道約30分の道のりを徒歩で通っている。周りは自分も含めて気持ちだけ若いつもりの大人ばかりなので、こちらのノリに彼女がついてきてくれるか心配していたが、とても楽しいと言ってくれている。今日は、午後の授業で初の試みがあった。国語の時間である。小学校5年生向けの問題を制限時間内で解くのであるが、ちょっとだけたじろいでしまった。テストを受けるのは久しぶりのことだ。もちろん遊び半分でチャレンジしてもらえればということで用意されたが、みんな真剣な顔つきでテスト用紙にペンを走らせていた。なんとか全問正解したが、かなり頭が固くなっていることを思い知らされた。普段文章を書きなれているので、国語は得意なはずだが、方法論でテスト問題を解くような頭とは全く異なっている。やはり表現者としての頭こそ有益であって、こんな学校で教えられる画一的な頭は無用の長物だ。今、「長物」という言葉を使ったが、これとて受験問題の典型例で「ながもの」と読むのではなく「ちょうぶつ」と読むのが正解だ。こんな知識がいくらあったとしても、意味がない。それこそ無用の長物と言えよう。言葉は文章の中で使ってこそ本来の輝きを発揮する。国語の後は朗読の時間を持った。Sさんは絵本の扉をめくり、「見えません」と一言。うけを狙っているわけではなく、老眼鏡がなくては絵本の字も判読不能のお年頃であるのだ。Iさんも苦手意識を克服できたようで、溌剌な声で朗読してくれた。これからも可能性を切り開き成長する姿を見守りたい。Sさん発案の朗読は有意義な時間だ。今日は女性陣が主役の一日だった。

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