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イガチョフ

オヤジ

 F夫妻が今年初のまけまけ参加になった。元旦から遅れること3週間ばかり、書初めで筆を振るった。お二人とも古傷が災いして、座りながらのストレッチとなった。それでもF氏独特のニヒルな冗談が聞けたので安心した。平成30年の北海道胆振東部地震の際、大きな被害をこうむり半ばトラウマにさえなってしまったF氏の体験談は同じ札幌市内に住んでいるとは思えない様相を呈する。本当か嘘か信憑性はないのだが、今回の能登半島大地震でノストラダムスの予言が的中したという。「地震、雷、火事、オヤジ」と言うではないか。「地震」が一番怖いのは、被災者になって初めて実感できた。死ぬほど怖い体験だ。それ以来揺れには敏感になってしまい、いつ何時地震が来るかわからない恐怖が日常生活について廻る。「雷」のほうは、避雷針が多い都会に住んでいるので安心できるし、「火事」は寝タバコの火もないしガスレンジ周りに引火する可燃物がないこともあって出火の可能性は低い。最後の「オヤジ」であるが、これは自分が親父の立場なので子供たちがどのように受け止めているかを考えると、やはり怖いと思うのではなかろうか。怖いと言うより「怒らせたらやばいな」である。今週の日曜日、長男の通う高校で全国模試があった。おまけに次の土曜日も振り替え休日すら取らずに連続で模試が予定されている。過酷極まりない設定だ。つまらない授業を5日間受け疲れきった身体で模試に臨んだところで実力は発揮できないだろう。模試から帰ってきた息子と風呂で汗を流したが、今回は同情の余地ありで息子の愚痴を聞いてあげた。「明日はくそみたいな授業しかないから、友達も休むと言っている。単位は取れているから、休んだところで進級には関係ない」風呂上りは友達とオンラインゲームをして遅い就寝となった。翌朝、「オヤジ」が怒鳴った。「学校を休ませてくれない?担任にメール送ってよ」息子が哀願してくるのを一喝した。「そんなこと許されるわけないだろ。学校へ行け」少し親離れ子離れできたのかもしれない。

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