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  • イガチョフ

花の便り

覚悟はしていたが、夏が来た。30℃を超えた。室内で暑さから逃げられるところはない。どこかエアコンの効いた建物に非難しようかと思ったが、勉強する子供たちを置いて出かけるわけには行かない。それでも午前中は体が動いた。冷蔵庫の副菜が底をついていたのでありあわせの材料でおかずを何品か作った。これからは食中毒が怖いので、子供たちには学校へ弁当を持たせない。コンビ二でパンを買ったりしてもらうことにする。朝食を遅めに取ったので昼もずれ込んだ。サラダを用意しカール・レイモンのソーセージを焼き、コンビ二で買ってきたパンを食べた。少しだけ手を抜いた。これぐらいだとお金もそうかからない。夜は娘からのリクエストに応えカレーライスにした。ガスを使うので台所が暑い。冷たい麦茶を飲みながらの調理だ。食事の準備以外は居間の床に寝そべっていた。扇風機の風に当たり涼しかった。それも午後三時までで、その後は強烈な西日に襲われた。まどろみの中で目を細めて見ると、レースのカーテンの向こうに太陽が笑っていた。太陽の思うままにさせていたら命の危険に関わる。急いでカーテンを閉ざした。日光を遮断した効果はすぐに出て、室温が少しだけ下がった。呼吸がしやすくなった。これから毎日高温との闘いになる。日中はアパートを留守にするが、帰宅した時の室内の暑さを想像するだけで気が重くなる。洗濯物も大量に出るだろう。シーツとタオルケットも衛生的にしたい。何をやるにも汗をかきながらの作業だ。ぐったりしている中、まけまけのメンバーのSさんからラインを貰った。花好きの彼女は、もちろん花の写真を送ってくれた。今日は、ひまわりの日だそうだ。そんなことすら考えが及ばない自分は、なんて余裕がない生活を送っているのだろう。残念ながら彼女とは住まいが離れているため、いつでも会ってお茶することができない。これだけ暑いと花も長持ちせず、花瓶に氷水を用意する工夫をしていると言う。揺らめく水中で淡く咲く花を見てみたいと思った。

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