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イガチョフ

お付き合い

まけまけの帰りに六花亭に寄る。ケーキを子供たちに買おうと思ってのことだ。しかし、午後3時過ぎにショーケースを覗いてもケーキはほとんど売れてしまっている。併設しているカフェコーナーでコーヒーと飲食するのが定番になっている。朝は午前9時30分からの営業で、モーニングセットが人気だ。懐具合も暖かいとはいえないので、綺麗に磨き上げられたトイレを利用して店を出た。一度でいいからカフェを利用したいと、まけまけで話していたら、メンバーの一人が「だったら食べに行ってみようか」と誘ってくれた。年長者の方なのでこういう場合甘えて付いて行きたい所だが、「たかる」という悪い言葉もあるので遠慮した。それからしばらくして、今度は酒の話になり、またまたその年長者の方が、「よし、時間もあるしサイゼリヤでワインをひっかけていこうか」と誘いを受けた。自宅で寂しくウイスキーばかりあおっていたので、呑み仲間が欲しいと思っていた矢先である。帰る方向が同じなので、一緒にまけまけを後にした。地下鉄の中でも、お正月は三越デパートのおせちを注文して一升瓶を開けた話を聞かされた。彼は独身であるが、結婚願望が強い。いつまでも恋心を失わないでいる。これが気持ちの若さに繋がっており、肌もつやがある。まるで、映画「男はつらいよ」の寅さんを彷彿とさせる。「独身のほうが気楽でいいよ」と苦い離婚経験がある自分は思うのだが、一度はしてみたいのが新婚生活なのだろう。自分の場合祝福を受けて結婚に至ったが、子供ができてしまい責任を取る形になるカップルも多いと聞く。こう言うと交通事故にあったみたいな言い方で怒られそうだ。風に吹かれてさすらってまけまけにたどり着いた自分は本当に晴れて自由の身分だ。出たとこ勝負で生きてきた。人生設計はだいたいにして狂うものだということは、自分が障害を負ってしまったあたりから、そう考えるようになった。付き合いが悪いと思われたくない。機会があったらまけまけ以外でコーヒータイムを持ちたいものだ。

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