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  • イガチョフ

幻のキャンディー

まけまけ初のプログラム、「歴史」の時間を設けた。堅苦しい学校の歴史の授業に囚われることなく、選んだテーマはお菓子。今日の紙面の片隅に報じられていた記事を取り上げた。明治のロングセラー商品の「チェルシー」シリーズの販売が3月で終了することになった。売上高の低迷が原因だ。もとはと言えばこのキャンディー、スコットランドの伝統菓子をヒントに販売された。若者にとってはチェルシーといえばイギリスのプロサッカーチームを思い出す人が多いだろう。一方、年配者には、印象的なCMを思い出すはずだ。「ほら、チェルシー もひとつチェルシー」「あなたにもチェルシーあげたい」これはかの小林亜星氏の作曲による。これをもじって「あなたにはチェルシーあげない」と替え歌を口ずさんだものだ。まさにチェルシーは幼少期を思い出すお菓子で、歴史を物語ると言っていいだろう。子供の頃の味覚は一生ものだ。この世から消えてなくなるのは自分の過去を失うようなもので悲しい。今回歴史の授業を持ったが、次回は自分史の編纂作業にチャレンジすることになる。まだスタッフも手探りの状態で、上手く自分史を記述できるかは未知数だ。今日も、若者代表のAさんはこんな大きな作業ができるか心配の様子でスタッフから説明を受けた。自分の来し方を客観的に記述することは一筋縄ではできない。オープンにできないプライベートの事情もたくさんあるだろう。過去を引きずるのではなく、前向きに生きるための整理作業と受け止める程度でいいのだ。いわゆる「人生の棚卸し」だ。まけまけにたどり着いたメンバーの一人ひとりが抱える心の問題は、人間関係のもつれに起因する傾向にあると分析する。実際、自分もまけまけと家庭だけが心のよりどころになっている。ああだこうだと言ってくる人たちに耳を貸すだけ動揺してしまい気分を害すことのほうが多い。八方美人ですいすい世の中を渡る人も多いが、自分を見失いしはしないか。人付き合いの駆け引きにはもうウンザリ。自分「一人」を信じたい。

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