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イガチョフ

書き続ける

 春分の日は晴れ晴れとして気持ちがいい一日だった。珍しいことに休日にもかかわらず早起きができた。息子は学校で物理の講習会があるので登校しなくてはならず、朝食を準備した。午前中の空いた時間を有効活用しようと思い、昨日函館から届いた依頼原稿に取り組んだ。函館の文学サークル「800字の会」に参加したのは去年の10月で、毎月3本のペースで作品を送っている。毎回、スマホに課題が送られてきて好き勝手に文章を書いている。エッセイや創作などジャンルは問わない。この頃は、まけまけでの執筆活動に追われ、「800字の会」に時間を割くのがおっくうになってきた。ホームページのブログを平日は毎日書き続けている。月に一度、まけまけ新聞も発行している。その他に、家族のことを綴った壁新聞も続けている。火曜日に課題が送られてくるので、まけまけはお昼で引き上げなければならない。「もうやめたいよ」とスタッフに泣き言をこぼしながら帰りの支度をする。スタッフは「それでも書いてしまうんでしょ」と他人から頼まれたら断れない自分の性格を見抜いている。家に着くと気分を一新にしてパソコンの電源を入れる。先週書いた作品がプリントになって届いた。毎回、「800字通信」が封入されていて今後の予定が知らされる。今回は、サークルが年に一度発行する文芸同人誌「樹下」の発行スケジュールが書かれていた。原稿締め切りは4月30日。3度の校正後、7月16日に完成予定とある。驚いたのは、発行費用で、1ページ2,000円、表紙・追而書など分担で1人当たり4000円の負担になる。今まで会費も免除されて特別に寄稿してきた。主催者とはもう30年の付き合いだ。恩をあだでは返せない。なんとか短いものでいい作品を書き上げたい。発行費用は酒を3ヶ月我慢すればいいだけだ。サークルは高齢者の集まりで、50歳の自分が若手ホープだ。いつか文学賞を受賞する夢に向って文章の研鑽を積む。長い作品を書くということは費用がかかるが、来年の「樹下」には本格的な小説を寄稿したいと思う。

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